最近の遺言に関する業務
2022/07/13
高齢化社会の影響なのでしょうか、最近は遺言に関するご相談を賜ることが増えてきました。
いざ将来の相続の事を考えたとき、遺されたご家族のご負担の軽減や争いごとを未然に防ぐという意味では、遺言書のもたらすメリットは大変大きいです。
安心・スムーズな相続のために遺言書へ注目が集まるのは、私個人の意見として喜ばしいことだな、と思います。
遺言書は、法律上厳格な方式をとるものですから、しっかりルールを守らないと無効になる恐れがあります。
その中で、ここのところご相談の内容として認知機能が低下してしまっている方が遺言書を遺せるのか、という問い合わせを頂くことが増えてきました。
大抵の場合、認知症の診断を受けて通院されているようなケースですね。
この点、認知症であるからといって、直ちに遺言書が無効となるわけではありません。
もちろん一概には言えませんが、
・時々あいまいなことがある、という程度
・遺言の内容とその効果を充分理解できている
・関係人と遺言者との周辺事情と遺言の内容に不自然な点がない
ざっくりとした説明ですが、このような点がクリアできていれば、当然に無効ではないとされることがあります。
もちろん確実に有効性が担保されるわけではないですが。
ともあれ、実際に認知症の診断を受ければ、やはり遺言書の有効性に疑義が生じることは免れませんから、
心身ともに充実した比較的若いうちから遺産相続について考えるに越したことはないのでしょうね。